腸内細菌が作るやせ物質、短鎖脂肪酸について学ぶ

からだ

短鎖脂肪酸とは、腸内細菌が作る、酪酸、プロピオン酸、酢酸などの有機酸のこと

ヒトの大腸内の腸内細菌が、食物繊維を発酵する際に短鎖脂肪酸を産生します。

その短鎖脂肪酸は、我々の健康維持に欠かせない役割を果たしています。

短鎖脂肪酸の大部分は大腸から体内により吸収され、私たちの体のエネルギー源になります。

腸内では大腸の組織を正常に保つための栄養源となったり、大腸内を弱酸性にして悪玉菌の増殖を防ぎ腸内環境を整えたりする働きもします。

短鎖脂肪酸はエネルギー源としてのみではなく肥満防止の役割もしていることが近年の研究で分かってきた

肥満とは脂肪細胞が内部に脂肪の粒(脂肪滴)を蓄え肥大化することで生じます。

放置しておくと、脂肪細胞は余ったエネルギーをどんどん溜め込み続け肥大化していきます。

短鎖脂肪酸はこの脂肪細胞の暴走を止めるブレーキの役割をしています。

近年の研究により、短鎖脂肪酸は脂肪細胞にある受容体に作用して、脂肪細胞へのエネルギーの取り込みを抑えて、脂肪細胞の肥大化を防ぐことがわかってきました。

この短鎖脂肪酸をつくる腸内細菌が、肥満の人では、肥満でない人と比較して少ないとされています。

実際に日本人で肥満の人とやせている人、10人ずつの腸内細菌を検査したところ、短鎖脂肪酸をつくる腸内細菌の1つフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィの割合が、やせている人の平均5.9%に対して、肥満の人は3.9%と少ないという結果が報告されています。

しかし肥満の人でも、腸内細菌に短鎖脂肪酸を多くつくらせることは可能です。

食物繊維を多く摂取すること

食物繊維は、腸内細菌によって短鎖脂肪酸につくり変えられます。

食物繊維は、根菜類、豆類、きのこ類、海藻類などに多く含まれています。

また、最近の研究では、イモ類や寒天などに含まれる難消化性多糖類が、腸内細菌によって、より短鎖脂肪酸につくり変えられやすいことがわかってきました。

食物繊維をしっかり摂取して、腸内細菌を育て、短鎖脂肪酸をしっかり合成してもらいましょう。

やせ体質に変わっていくはずです。

腸内環境のチェックのために便の調子を観察しましょう

便の性状の観察については、よければ下記記事を参考にしてください。

腸内フローラとうんちの話
顕微鏡で腸の中を覗くと、腸内細菌は植物が群生している「お花畑( flora)」のようにみえることから、『腸内フローラ』と呼ばれています ヒトに棲みつく腸内細菌の種類は1,000種類以上、数にすると100兆個にもなります。 腸は1本の長い管で...

便の不調が続いたり、血便や、腹痛などがみられる場合は医療機関の受診を検討しましょう。

40歳を越えたら、大腸がん検診を受けられることをお勧めします。

大腸がんの死亡率を減少させることが科学的に認められ、大腸がん検診として推奨できる検診方法は「便潜血検査」です。

血便、腹痛、便の性状や回数が変化したなどの症状がある場合には検診を受診せず、すぐに医療機関を受診する必要があります。

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