置き換えダイエットのためには、食材の知識が必要
以前に置き換えダイエットについて記事にしました。

普段食べる食材を置き換えていくうえで、食材の知識も必要かなと感じることが多くなりました。
今までは奥さん任せだったんですが、、、ちょっと勉強してみることとしました。
卵の栄養について
たまご1個に含まれる各栄養素の割合は下図のとおりです。

※たまご1個61g(可食部52g)、食事摂取基準(女性18~29歳 身体活動レベルⅡ)で算出
※食事摂取基準(厚生労働省2005年版)の「推奨量」「目安量」「目標量」から算出
※上記イラストは全国鶏卵消費販促協議会発行 くらしの中のたまごシリーズ⑭ の6ページを参照
たまごは食物繊維・ビタミンC以外の多くの栄養素を含んでいて、完全栄養食といわれています。
たんぱく質の栄養価を数値化したアミノ酸スコアは満点で、良質のたんぱく質源です。
ビタミン、ミネラルも豊富で、毎日の食事に取り入れたい食材です。
栄養満点なうえに、値段も安くて、調理しやすいのがありがたいですよね。
卵のコレステロール問題①
卵の栄養成分で、問題になるのはコレステロールを多く含むことです。
2010年の厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、1日のコレステロールの摂取基準を女性600mg、男性750mgと設定されていました。
卵1個のコレステロール値がおよそ300mgで、卵は1日1個程度と言われてましたよね。
その後コレステロールを多く含む食品を食べても、血中コレステロール値には影響がないという研究報告が相次ぎました。
コレステロールの多くは、からだの中で合成されます。
食事からのコレステロール摂取量が血中のコレステロール値に与える影響は少ないというのが理由になります。
2015年の厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」ではコレステロールの目標量(上限)の記載は撤廃されました。
それ以後たまごは栄養価が豊富で、1日複数個食べても問題ないといった風潮がみられるようになりました。
自分も筋肉をつけたくて、ゆで卵を1日2個食べていた時期がありました。
卵のコレステロール問題②
2015年度のコレステロールの上限値撤廃に関しては、血液中のコレステロール値に与える影響には個人差が大きく、目標量を算定するのに十分な科学的根拠が得られなかったと記載されています。
でその後さらに研究がすすみ、20200年の厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では新たな提示がなされました。
コレステロール摂取量について脂質異常症の重症化予防の観点からは、200mg/日未満に留めることが望ましいと記載されています。
これだと卵1日1個も食べれないということになります。
これは脂質異常症のある人ということなので、健常者には当てはまらないません。
しかし、厚生労働省の調査によると日本人女性の48%、男性の44%が脂質異常症とされています。
日本人の約半数が該当することになりますね。
自分のような中年男性は、食べ過ぎは良くないようです。
卵の摂取と癌の関係について
また、卵の摂取が健康に及ぼす影響が、国が全国で行ったプロジェクト「NIPPON DATA」を解析したNIPPON DATA90において検討されています。
その結果、女性においてのみ、卵の摂取が多い人ほどがんによる死亡と総死亡のリスクが高い傾向があることが示されました。
卵を1日1個摂取する女性を対照群(リスク1倍)として比較すると、1日2個以上食べる人では、がんによる死亡リスクが3.2倍、総死亡リスクは2.05倍でした。
逆に、1週間に1~2個しか食べない女性のがん死亡リスクは、0.68倍(32%減)でした。
女性に関しては、卵の食べ過ぎは要注意です。
ちなみに男性では、卵の摂取は、がんによる死亡と総死亡のリスクに影響はみられませんでした。
理由として「日本では男性のほうが外食する機会が多く、そのために食事の内容が女性より多様化している」、「男性のほうが喫煙者と飲酒者の割合が高く、これにより卵の摂取ががんと総死亡に及ぼす影響が薄められている」といった可能性があげられています。
男性のほうが不摂生で、もともとリスクの高い生活をしているから、卵では差が出なかったということでしょうか。
多くなる癌の種類とか、発癌に関わる原因などのさらなる検証を期待したいですね。
結局、卵は1日何個食べていいのか?
たまごの摂取量の結論は難しいです。
卵の栄養の価値は高く、積極的に取り入れたい食材です。
なんかコレステロールが、悪いようなイメージになってしまいましたが、実際は私たちの体にとってなくてはならない大切なものです。
コレステロールは、全身の細胞膜やステロイドホルモン(男性ホルモンや女性ホルモン、副腎皮質ホルモンなど)、胆汁酸(脂質の消化・吸収を助ける物質)などの材料として、非常に重要な成分です。
しかし摂り過ぎには注意が必要です。
現在の知見からは、無難な結論ですが、やはり卵の摂取量は1日1個までとなるかと思います。
高脂血症が気になる人や、女性の場合はもっと少ないほうが良さそうですね。
もちろん摂取のメリット、デメリットについては、性別や年齢のほか、食生活や運動など様々な要因が関わります。
卵ついては、今後も研究がなされるでしょうし、新たな知見も出てくると思います。
これだけ研究されるってことは、それだけ重要な食材であるってことですしね。
食材の情報はどんどん更新されていきます。
今後も卵から目が離せませんね。
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